2007-09-14

Teacher Center と Learner Center をどう組み合わせるのか(高槻市三箇牧小学校)


4時間目には、2年生の国語の授業を見学しました。
児童は、”あったらいいな、こんなもの”をテーマに自分たちで文章をつくり、それについて発表します。


2年生は2クラスあり、1組は、島型のレイアウト、2組はコ型のレイアウトの授業だったので、それぞれ半分ずつみせてもらうことにしました。

授業の中には、本当にたくさんの”工夫”がありました。ハムゼが興味を示したのは、以下の4点です。


① いい発表をさせるために、事前に評価の規準を示していること。
② 発表のあと、児童が質問したり、発表のコメント言ったりすること
③ Learner Centerの実践の一つであったこと
④ 高次思考能力との関連性

①に関しては、教師が事前に、人の話をきく、声を大きくして話す、内容をしっかり読める、といったいくつかの観点を児童に示し、児童はその観点を意識しながら発表できるようになっていました。ルーブリックに興味を持っていて、ルーブリックではないものの、評価の規準を事前に児童に示し、意識させるという点では、非常ににた効果があるこの方法にずいぶん興味を示していました。

②に関して。日本語が分からないので、内容については言及できないのですが、児童の発表のあと、他の児童が積極的に質問をする、または、「声が小さい」といったコメントをする姿勢に興味を示していました。私の意見になるのですが、「質問を作るということは、思考力を育成するいいきっかけ」だと思っています。他者の発表をしっかり聞いて理解しようとしなければ、いい質問はつくれません。こういう「質問を作る」という作業についてハムゼとよりディスカッションしたいと思います。また、ここでは相互評価とまではいかないのですが、発表について分かりにくかったり、声が小さかったりすると他の児童が意見するというのは、ハムゼにとってはまた面白い取り組みだったと思います。

③についてですが、これについてもしっかり議論する必要があります。ハムゼは、この1つの授業をみただけで、これがLearner Centerだ、と言っていましたが、このように児童に発表させるまでには実に様々な工夫と取り組みがあります。授業終了後、担任の教師に話を聞きました。発表までのプロセスは次の通り:
1)教科書の例をみんなで一緒に勉強し、共有させる(Teacher Center)
2)「あったらいいな、こんなもの」について、なんでもいいのでアイデアを全部出させる(ブレインストーミング)
3)イメージを絵で表現させる
4)自分が一番やりたいことについて一つ選ばせる
5)文章を作れるようにいくつかの観点を記入したワークシートを配布する。
6)そのワークシートを土台に、文章を作らせる
つまり、Teacher CenterとLearner Centerを相互に組み合わせた結果がこの発表なのである。一つの授業や単元の中にも、それぞれの目的にあった学習方法がある。一概にLearner Cetnerにすべきだと主張するのではなく、どういう目的があるからどの学習方法を適応させるかについてしっかり考える必要がある。これについても、しっかりディスカッションしていきたいと思います。

※ハムゼがいうには、すべての授業に、5分から7分のLearner Center(協働学習やグループ学習)を入れるべきだと主張していました。トップダウンンでこうしろ、と言われるのでもちろんUNRWAの先生が従いますが、なぜそれをするのか、ということは理解できてません。なぜなら、指導する側もその辺を理解していないからです。まずは、その辺をしっかり押さえる必要があると思いました。


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