2007-09-18

スーパーバイザーの仕事 日本と比較して


UNRWAは、Education, Health, Social Serviceの3点の特に重点を置いて活動しています。
その中でもEducation(教育)には非常に力をいれています。たとえば、4000人の雇用者のうち3200人は教育関係に携わっている職員です。

そのため、教育関係の支援体制もしっかりしています。
ハムゼの役職はスーパーバイザーなのですが、日本でいう指導主事です。
ところが、日本の指導主事は、毎日授業を観察し教師を指導するというUNRWAのスーパーバイザーとは違います。どちらかというと、月ごとに様々なワークショップを準備し、夏には幅広いワークショップや研修を準備し、教師に来てもらって研修を実施する。教師への指導は、公開授業、研究授業の際に相談に乗ったり、困ったことがあれば学校に赴いて問題解決にあたります。


このようなシステムの違いにも興味を示していました。特に興味を示したのは、日本の学校の先生は、自主的に自分の興味のある研修に参加するということです。つまり、シリアでは、スーパーバイザーがワークショップや研修の準備をしても、ほとんどの教師が集まらないが、日本の教師は(もちろん上からの命令もあるが)自主的に自分の技術や知識を増やすためにこういった研修に参加する。

日本の場合、教師になる場合、教職免許をとり、試験をうけ、教師になれる。教師は、教育心理学から、教育理論、指導法など技術や専門に限らず、幅広く教育のことについて知る必要がある。ところがUNRWAの場合は、大学を卒業したあと、自分の専門の科目が数学、理科、社会、フランス語など基礎科目であれば教師になることができる。つまり、教師になるつもりがなくても、たまたま教師にあったという人も多い。

では、どのように指導法などを学習するのか。


UNRWAでは、新しく教師として雇われた人は1年間の研修を受ける。ヨルダンには、Institution of Education developmentというところがあり、そこは国際的な教育システムを適応した制度がある。この制度にのっとって、ヨルダンの専門家たちが年に3度ほどシリアに来て、新しく教師になる人を指導する。年に3回は少ないので、週に1回は、シリアのスーパーバイザーが彼らを指導する。ある程度力がついたとみなされれば、彼ら・彼女たちは教師になることができるというシステムだ。

研修の間の1年間の待遇についてはまだ詳細は聞いていないが、週に一度の研修だけでは、もちろん十分な教授・学習法や理論について学ぶことができない。そういう意味で、新しく教師になる人たちに対する支援活動を今後一層充実させていかなくてはならないだろう。

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