2007-08-31

国際交流学習について考える


今日は、高槻市(大阪)、寝屋川市(大阪)、津島市(岡山)、神奈川の教師、校長先生と一緒に国際交流学習についてディスカッションしました。彼らは、1年以上国際交流学習を実施している教師です。

これまで国際交流学習のモデルやステップを日本側の視点でしか議論されてきませんでしたが、今日は、ハムゼからシリアの教育システムや教育目標などもきいて、相互に意見をかわしながら、どのようにお互いの国にとってよい国際交流学習をデザインできるのかについて考えました。

午後1時から5時まで研究会をもち、その後、岡山の津島小学校の先生と今後UNRWAと一緒にやる「絵本プロジェクト」について話し合いました。慶應義塾の教師がすでにUNRWAとの交流学習をもっているので、彼の知見を参考にしながら少し計画をたてました。

現場の教師の意見を交えながら、国際交流学習について議論できたのはとてもよかったと思います。今後の課題として、国際交流学習の授業設計(ID)や協調学習の理論について少し理解を深める必要があると思いました。明日は、Learner Centered Designについて大学院生とディスカッションする時間をもうけ、セオリティカルな部分を明確にしたいと思います。

報告:岸 磨貴子

2007-08-30

シンキング・ツール


今日は、朝から一日、UNRWAの学校で利用できるシンキングツールを選び、翻訳作業をしていた。
とても熱心で、15以上のツールの事例を翻訳していた。シリアに戻る前に、冊子をつくり、UNRWAの学校に配布したいということだ。

ただ、シンキング・ツールというものは、単にツールを使えば、思考が促されるというのではなく、どのように使うかということが重要である。そのため、シンキング・ツールを使う際のストラテジーをしっかり学ぶ必要がある。単にシンキングツールを導入するだけだと、これまでのように形だけが取り入れられ、その本当に効力が発揮されぬまま普及してしまう。

そのため、シンキングツールの冊子が完成すれば、次はそれをどのように使うのかレッスンプランを作ったり、その理論についてより深く理解する時間をとろうと思う。

※私もハムゼもCreative thinkingに興味があるので、久保田先生が帰国したら、DebonoのONLINEコースを受けさせてもらえるように頼んでみよう。。。

報告:岸 磨貴子

2007-08-29

【8月29日】大阪プロモーション・OFIX訪問




ハムゼと関西空港の近くの駅のりんくうタウンに行くのは今回で二回目になった.
ハムゼの住居から移動におよそ二時間もかかるのと
通勤時間に当たるので,日本のラッシュアワーに遭遇するのも二度目.

モスクや研修でよく電車に乗っていたのでだいぶんなれてきているようでした.

今日はOFIX(大阪府国際交流財団)が主催する大阪府プロモーションに参加
OFIXの事務所に表敬訪問して,各NPOの紹介と研修員の意気込みを話すことに

今回,ハムゼと同様に研修制度で来日している方はスリランカの方が二名
そしてモンゴルの方が二名のハムゼを入れて計五名だった.
彼らもハムゼとだいぶん仲良くなって
久しぶりの再会にハムゼも喜んでいました.

日程は

・OFIX訪問
・昼食
・大阪ガス科学館見学
・心斎橋・難波見学

となっていて,ハムゼも大阪についてもっと深く知る事ができたと思います.

始めは日本食にまったく手をつけなかったハムゼですが
今日はてんぷらうどんを箸を使って食べるのに挑戦していました.
こうした活動を通じて
ハムゼに私達以外の日本人ともっと多く接して欲しいって思います.

2007-08-28

【8月28日】思考について


今日のハムゼ氏の研修は、「思考」について取り扱いました。

具体的な内容は
1)ベンジャミン ブルームの教育目標やタキソノミーについて理解する
2)シンキング・ツールについてのレクチャー(岸)
3)シンキング・ツールについてのディスカッション(笹尾、今野、岸)
4)創造的思考についてのディスカッション(岸) DEBONOについて
5)オーストラリアの事例紹介(思考を促す工夫について)
6)シリアの学校で利用できるシンキング・ツールの選択とアラビア語化(一部)

すでに彼が勤務しているUNRWAの学校では、ブルームの教育目標がしっかり導入されているようです。教師は必ず、ブルームが提唱する3つの領域を意識し、特に認知領域(cognitive domain)の6つの段階(Remembering, Understanding, Applying, Analysing, Evaluating, Creating)のうち、高次思考能力にあたるAnalysing以上を目指すことが勧められているそうです。

しかしながら、実際は、理論は理解できていても実践するのは難しく、それが彼らの教育が抱えている問題ということでした。そこで、では具体的にどのような手法、方法があるのかについて議論しました。
その中で、シンキング・ツールを紹介しました。

とても高度な議論ができたので、非常に興味深かったです。

2007-08-27

8月27日 研修内容の調整



8月26日にシリアで活動していた岸、今野が帰国し、翌日ハムゼに会いました。
慣れない日本できっと苦労しているだろうという家族の心配とは異なり、すっかり日本にもなじんでいるようでした。特に、先日うけた日本語の研修がよほど興味深かったのか、日本語を積極的に使おうとする姿が印象的でした。

とても、内発的動機の高い人なので吸収力も早いです。そのため、研修の内容もより高度なものを準備していくことを再確認しました。

今日は、これまでの研修で学んだことをふりかえってもらい、少しディスカッションしました。
その上で彼が必要としていることを導入できるように、再度スケジュールと研修内容を組みなおしました。

ICTの技術を身につけたいと希望していましたが、技術というものはシリアでも自分ひとりでもなんとかなりますが、その技術をどう活かすかは、多様な視点、異なる文化や習慣の視点から観察し比較していくことが有効であるため、なるべく理論に基づいた活動を進めることにしました。

まず、この研修自体は、学習者中心型アプローチをとるので、何か学びたいことがある場合、学習環境を準備するが、基本的には自分で「調べて、まとめて、学習する」スタイルをとります。その際、院生ボランティアがファシリテートし、学習を進めていきます。

学習者中心型アプローチという理論は非常に幅広いので、今回は「協働学習のためのICT活用」にテーマを絞ることにしました。そのために研修で扱う内容は次の3つのディメンションです。
1)協働学習のための学習環境デザイン:教材(制作を含む)FLASH,WEB制作、ビデオ制作など
2)教授学習法(理論):ディスカッションを中心に行う。(思考、マルチプルインテリジェンス、ガニエ、ブルーム、動機づけ、アークスモデル、協調学習、交流学習、問題解決型学習など)
3)学校訪問とディスカッション

1と2に関しては、関西大学の大学院生が中心となって実践事例を分析したり、論文検討会、日本の総合的な学習で利用されている様々なツールを紹介します。3に関しては、学校訪問を基盤とし、教授学習法の工夫、学習環境デザインの工夫を中心に参与観察します。

また、シリアの学校の問題点をクリティカルに分析し、今後どの点について改善していくべきかを日本の学校と比較しながら見つけてもらう予定です。

研修の内容を具体的に示したことと、自分がこの研修で何をめざすべきかがみえたようで、ずいぶんすっきりした顔をしていました。ハムゼ氏は関西大学の大学院棟で研修を行っていますが、院生ともいい人間関係がきずけているようです。現在、FLASHの学習をしていますが、分からないことがあればみんなが支援しながらなんとかがんばって自律的な学習を進めているようです。

【8月23日】Web研修




Kenです.

Web研修は23日と25日に大学で行いました.
始めの私の予定ではBlogとWebデザインなどについて
やっていく予定だったんですけど.

ハムゼがFlashをやってみたいという要望と
すでにハムゼがBlogを書く習慣がついていて毎日書いているので
今回のWeb研修はFlashをやることになりました.

Flashの基礎的な部分である
・シーンとレイヤー
・モーションの作り方
・アクションスクリプト
などを教えた後は

LCAの考えのもとに
ハムゼ自身の手で調べて貰っていました.

ハムゼは家に帰っても
Flashの使い方について書いているWebページを探して
学んでいたようで,すっごく高いモチベーションを感じ取っていました.


ただ,今回の研修は技術習得までにとどまり
Flashの使い方だけになってしまったのが残念ですけど
今後,ハムゼがFlashを使っていく最初の一歩にはなったと思いますよ.

【8月22日】大阪府表敬訪問




Kenです.


今日は2泊3日の日本語研修を終えたハムゼと合流して
大阪府庁を表敬訪問してきました.
今回の目的は,こうした海外からの研修員の受け入れを行っている
大阪府アジア交流課の方々との懇談会.

各団体と研修員がそれぞれ抱負や日本の印象などを聞くのですが
ハムゼも研修の成果を披露するように自己紹介などを
日本語で行っていました.

さすがに抱負までは難しく,英語でやっていましたけど
これからどんどん日本語が上達していくと思いますよ.

【8月20日】日本語研修へ

Kenです.

今日からハムゼは大阪府が主催する
日本語研修セミナーを2泊3日で受けるので
ハムゼを送るためにりんくうタウンまでいきました.

今回の大阪府の海外研修員受け入れはハムゼ以外には
スリランカの方が二名
モンゴルの方が二名
そしてハムゼの計五名でした.


日本語研修が終わった時に
ハムゼがどのくらい日本語を話せるようになるか楽しみです.

【8月17日】神戸のモスクへ



Kenです.


今日はハムゼと神戸のモスクへ
イスラームは金曜日に皆でモスクに集まって礼拝するみたいで
朝.ハムゼの家に迎えに行くと
「今日は初めて卵料理のエッグサラダを作ったよ」
とご満悦の出迎えを受けました.

ハムゼと一緒にバスに乗るのは今日で最後にしようと
思いながらバスの乗り方を最終確認して
一路神戸の三ノ宮へ
集合時間より45分も早く着いたので
モールに行くと大喜びのハムゼ
Ipodやデジカメ,チェキにワンセグのモバイルに興味深々.


その後,真弓先生と真弓ゼミ生達と計13名で
モスクへ・・・
しかし,電話で確認した時は
「12:00から礼拝ですよー」
と聞いていたのに
「礼拝は13:00からです.」
とのこと・・・.
唖然としていたら,真弓先生が
「シリアとかで慣れっこでしょ?」
と言われて,妙になっとくしました.

その後はハムゼと再び合流して外国食品店へ
イスラームに安心して買える食品,そしてハムゼに懐かしい
食料品に喜んでもらえてなによりでした.

【8月16日】Welcome Party




Kenです.

今日はハムゼのWelcome partyを大学で行いました
こうしたパーティの企画をするのは初めてで
植野さんと色々と打ち合わせて
周りの皆の力を借りて
ハムゼを精一杯歓迎したいからという意味合いで行ったもの.

ハムゼはパレスチナ人
そしてイスラームなので豚は食べれません

でも・・・以前商店街をあるいていた時
果物屋さんでキューイとスイカに注目していたハムゼ
なので今日はたっぷりとキューイとスイカ
そしてサラダをハムゼに食べてもらいましたよ.

院生は空いた時間をパーティに当ててくれた
若い学部生はピザをぱくぱくと食べて
皆がハムゼに話しかけていたし・・・
ハムゼも皆に囲まれてうれしそうでした.
特に・・・盛岡さんと,鍛治さん,三浦くん,田尾くん感謝です.


日本ではスイカに塩をかけますけど
ハムゼ曰く,シリアではホワイトチーズらしいです・・・
一緒に食べるのが・・・

やっぱり一番相容れないのは【食文化】だと思った.


その後はハムゼが作った日本紹介のビデオを皆に見てもらい
学部生からじゃんじゃん質問が飛び
そして答えるハムゼ.

そんな一日を過ごして
皆がハムゼを歓迎してくれて受け入れてくれて・・・
準備がすっごく大変でしたけど
楽しかった一日でしたよ.


写真:ハムゼの映像の内容をディスカッション中

【8月13日】高槻案内


Kenです.

今朝の目覚めはハムゼもよかったみたいです
日本に来てから一番いい睡眠を取れたのだと思います.
今日は藤原さんが高槻市内の案内役に買ってくれて
向かった先はてんじんさんこと
上宮天満宮(菅原の道真公)を訪れました.

イスラームなハムゼにとって
日本の神社はどのように移ったんでしょうか?
ハムゼから
「Kenはいつも神社に来るの?」
と聞かれていましたよ.

神社って基本的に
【悪霊が悪さをしないように作られたもの】
と説明していました.


その後,100円ショップに行くと大喜びのハムゼ
ツナ缶を見つけて
「初めてシリアと同じ値段のモノを見つけた」
とにこにこ顔で話していましたよ.

うーん,ツナ缶はシリアでも100円ですか~.


とにかく目下の私の悩みは食文化
文化の中でも一番食文化が相容れない
・・・っと私の先生の名言ですけどねー.

やっぱり難しいんですかね?

【8月12日】嵐山観光へ




Kenです.

今日はハムゼとりょーこと
久保田ゼミ三回生のかず,しゅん,しょーこの6人で嵐山へ.

ハムゼにとっては本格的な日本での外出です
今朝,家に着いたら

「本当に日本は静か過ぎる,特に夜は~」

ってハムゼは言っていました.
人が多いところが好きなハムゼ
やっぱりシリアのあの人ごみだらけのヤルムークキャンプで
生まれ育った彼にとってまだまだカルチャーショックの
真っ只中にいるようです.

もっぱらの家での時間つぶしは高校野球のようで
日本語がまったく分からないので
甲子園を見ながら野球のルールを少しずつ覚えています.


さて,とにかく昔は英語の先生だったハムゼ
すっごく分かりやすく英語を教えてくれます.
そしてすっごくジェントルマンなハムゼ
初めて乗る日本のバスや電車で
色んな事を感じていたと思いますよ.

嵐山に着くと
Traditional
Natural
を連発していたハムーゼ.

すべて見るものが新しいもの
いい観光になったと思います.

参加してくれたみんな,ありがとう.

【8月11日】ハムゼの家へ


ハムゼが来日して翌日
私はハムゼの日用雑貨用品を持って
植野さんはアイロンを持ってハムゼの家へ.

アラブでは家を訪れたお客さんを大歓迎してくれる文化なので
ハムゼは私と植野さんをとても歓迎してくれました.

とにかくこれから始まるハムゼの日本での生活が少しでも
より良いものになる手助けができれば・・・
って改めて思いました.


Ken

写真はハムゼから貰ったヴィゼルというサウジアラビアで取れたフルーツ